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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

Γあー、腹いてぇ。笑わせるなよ」
Γ勝手に笑ってるんじゃないですか」
Γ俺が、自分からメアド教えて欲しいと言ったのは楓が初めてや」
へー。そう。……だから何?
とは言えなかった。学年的にも先輩であるこの男に。
Γぶつかってさ、楓を見たときに惚れた。だから、呼んだしメアド欲しいと思った。これじゃダメ?」
Γそう……ですか。先輩なら周りに騒いでる女子たくさんいるじゃないですか。あたしよりも可愛くて綺麗な人たちが」
Γん~興味ないんだわ。あーいう女子って」
郷田俊樹は、腕を真っ直ぐ上げて伸びの姿勢をしたあと、机から降りてあたしの隣に立った。
少し見上げないといけないくらい、身長が高い。
郷田俊樹は、しばらくあたしを見つめてそのあと肩に手を置いた。
Γねぇ、いつまで焦らすの?」
顔を耳の傍まで寄せて、吐息混じりの声で囁く。
その瞬間、鳥肌が全身を駆け抜け郷田俊樹を思い切り突き飛ばした。
Γいってぇな。何なんだよ」
Γ先輩の気持ちには答えれません」
Γあっそう。じゃあいーや。話は終わり!じゃあな」
あっさりと、郷田俊樹はあたしから離れて教室を出ていった。
ホッと胸を撫で下ろしあたしも教室を後にした。

