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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

郷田俊樹に呼び出されてから三日後、摩耶と友達になった。
授業でペアを作らなければならず、余り者のあたしに摩耶が声を掛けてくれたのがきっかけ。
あたしと摩耶だけが髪を染めて制服も着崩した格好をしていたから、周りから浮いた者同士仲良くしようと言われた。
高校で、初めて出来た女友達。
放課後、二人でカラオケに行ったり買い物したりと女子高生らしい生活を楽しんでいた。
Γあ、彼氏からだ」
遊んでいる時、たまに電話が鳴る。
その相手は彼氏だと摩耶が言った。
違う学校の年上の先輩だと教えてくれた時、摩耶がとても大人びて見えた。
あたしは、恋愛と言うものに疎いのか、誰かに惚れたりしたことがない。
告白は……たまにされることもあるけれど。
そう考えていたら、郷田俊樹の顔が過った。
そうだ、彼もあたしに告白してきたっけ。
摩耶と一度、恋バナをしたとき摩耶はとりあえず付き合えば良かったのにと笑っていた。
付き合っていく内に好きになるものだと言った。
その考えがあたしには、どうしたって理解出来なくて適当に相づちを打って流していたけれど今思えば郷田俊樹と、とりあえず付き合う。という選択をしていたら、あたしの未来は変わっていたのかもしれない。

