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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

入学してから一週間が過ぎた頃、とうとう彼は動き出した。
摩耶が予定があると、先に帰ってしまいあたしは仕方なく一人、玄関に向かっていた。
靴箱から、靴を取り出して上履きを靴箱にしまった時、現れたのだ。
Γ久し振り、楓」
Γ先輩…」
Γ一緒に帰ろうぜ?どうせ、暇だろ?」
そんな言葉に、カチンと来たが一人で帰るのだから暇と言われたらそうなのかもしれないと、あたしは郷田俊樹の後を着いていった。
先輩と並んで歩いていると、帰宅途中の女子生徒がチラチラとあたしを見ている。
Γほら、先輩。周りの女子から凄い視線感じるんで離れて歩いてください」
Γほっとけばいーじゃん。そんなことより、楓また可愛くなった?」
Γなってません」
Γ嘘つけ!さては、誰かに恋してるとか?」
Γしてません」
先輩は、嘘つけ!とまた疑ってあたしを質問攻めにした。
学校から大分離れて、小さな公園を通りすぎて田んぼ道を通れば帰宅出来るあたしの通学路に先輩はどこまでも着いていこうとするから、思いきって先輩の家を聞いた。
Γ俺は、この公園を通り抜けた先に家があるよ」
Γじゃあ、ここで。あたしは、まだ先ですから」
頭を下げて別れようとしたら、先輩に腕を引かれた。
Γ何ですか?」
Γこのまま帰すわけないじゃん」
先輩の気味の悪い笑顔が頭にこびりついた。

