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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

Γ………楓?大丈夫?」
顔を覗き込む摩耶と視線が合う。
あたしは、コクリと頷く。
Γ急にボーッとしてるからびっくりしたよ~」
Γごめんっ……」
教室にはあたしと摩耶の姿しか無く、安西は居なかった。
Γアイツなら飛び出して行ったよ。とりあえず、郷田俊樹って男が今回の犯人で間違いないと思う。あたし、明日郷田俊樹に会ってくる」
Γダメッ!あたしが行くから摩耶は待ってて」
Γいや、何でよ?じゃあ二人で行こうよ」
あたしは、首を横に振る。
Γ何かあったの?郷田俊樹って奴と」
摩耶には言わなかった昔の出来事。
郷田俊樹とあたしの関係を話さなければ、摩耶は郷田俊樹に殴り込みに行くはず。
それは、避けたかった。
誰にも打ち明けたことのない、郷田俊樹との関係。
一つ、息を大きく吸い込んだ。
Γ摩耶……あのねっ?」
包み隠さず、全てを打ちあけた。
心なしか体が楽になれたような気分だった。

