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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

それから一週間後。
摩耶は放課後の誰も居ない教室であたしだけを残し、机の上に10枚ほどの写真を置いた。
Γ何これ……」
そのどれもが、女性をレイプしたであろう行為中の有り様が写し出されていた。
Γ郷田俊樹と同じ学年に元カレが居てね?事情話したら、郷田俊樹の仲間に譲ってもらったって」
Γ勿論、写真をくれた仲間は黙っておく、郷田俊樹だけを陥れる」
確かに、郷田俊樹の目線で撮られた写真ばかりだ。
これなら、共犯者が居たとは思えない。
Γてことで……これを今から職員室の隣にある掲示板に貼るの。アイツはこれで就職も出来ないだろうし、あわよくば退学かな?」
摩耶が物凄く黒い笑顔であたしを見つめる。
Γでも、この女性の顔もバレちゃうよね…それは可哀想だよね。あたしたちのせいで巻き込むのは…」
Γそれは、安心して。顔だけ塗り潰すから。そこは配慮するよ。でもね?楓以外にも被害者が居た。誰かが郷田俊樹を止めなければ、また被害者が出るかもしれない。そんなことは絶対に嫌。女の敵やね、アイツは」
Γそうやね…やっぱり許せない」
全ては明日で終わる。
郷田俊樹の愚行も、そして、達巳の処分が決まるのも明日だ。
郷田俊樹のこの写真で、達巳の問題が消えるとは思わないけれど、どうかいい方向に傾いて欲しい。
先生の注意が郷田俊樹に向いたなら………。
そんなことを願ってしまうあたしは、愚かなのだろうか。

