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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

◇
朝、携帯に担任から連絡があった。
俺は退学処分になったと。HRで、クラスの皆には報告すると言っていた。
覚悟していただなんて、そんなの強がりで。
いざ、突き付けられた現実に恥ずかしげもなく電話口で泣いた。
担任は、守れなくてごめんと呟いたが俺が悪いから気にしないでと、泣きながら言った。
俺の居場所であった、学校。
クラスの奴等とバカな話で盛り上がり、呪文のように心地のいい授業中の睡眠も、屋上でサボった緩い時間も。
そして、いつでも俺の隣に居た楓とのかけがえのない時間も。
すべて、終わった。
電話を切ってから、俺は無というのが相応しいくらい空っぽな心を抱き締めた。
楓は、俺のために犯人探しもしてくれていて、必死に俺を繋ぎ止めようと、守ってくれようとしていた。
それなのに、俺はただ家に居て何も出来ず、この瞬間を迎えた。
HRで、楓が聞いたとき、きっと泣いてしまうだろう。
そして、守れなかったと自分を責めるだろう。
楓は優しいから。
違うよ、楓は頑張ってくれた。
俺が悪いんだよって今すぐ言って、抱き締めてやりたい。
けど、そんなことをしても楓の沈んだ心は掬えるのだろうか?
どれだけ、言葉をかけても。
明日から俺は学校には行けない。
楓の隣に居られない。
その事実は変わらない………。

