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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇


結局、夕方までベッドに座り続け漸く現実と向き合う覚悟が出来た。

母親が作ってくれたご飯を食べ終えた頃、家のチャイムが鳴った。

玄関を開けると、泣き腫らした顔をした楓がそこに居て、言葉が出なかった。

Γ……楓」

たった、一言。絞り出した言葉。

そのまま、抱き締めて耳元でごめんと、囁いた。

Γ達巳……ごめんね。………守れなかった」

Γいいから。楓のせいじゃない。ごめん。俺のせいで」

泣かないで……心が叫ぶ。

けれど、そんなこと俺が言えない。

泣かしているのは俺なんだから。

Γ達巳……い…や…だよ…。隣に居たいのに…なん、で」

散々、泣いたんだろうに。また涙を流して俺にしがみつく。

肩から感じる楓の心の悲しみが、俺に容赦なく降り注ぐ。

Γ学校じゃ、もう会えないけど……いつでも会えるから。楓が会いたいと思ったらすぐに飛んでいくから…」

Γいやだよ……達巳の居ない……学校なんて…行きたくない」

Γ楓……楓には友達おるやろ?俺だけじゃなくて、楓に隣におって欲しいと思ってる子おるやん。だから、そんなこと言わんで…」

Γ分かってる……分かってるけど!ぅぅぅ……達巳も居てくれなきゃ…やだよぉ…」

息が上がり、涙を溢しながら伝えてくる言葉、一つ一つを俺は抱き締めた。

今は、ただ。受け止めるしか出来なくて。

細い体に、力を込めて。

俺は楓が好きだよ…俺も傍に居たいよ…

ごめんな……

楓に伝わるように、ずっと抱き締め続けた。

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