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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

◇
達巳が傍に居ないのは、本当に嫌で仕方なかった。
抱かれて、達巳の事しか考えられないように満たしてくれたのに。
達巳の居ない通学路を歩くだけで、心は悲鳴をあげそうになっている。
三年間、達巳と過ごせると思っていたのに、それが叶わなくなって。
学校に入っても、この空っぽな心は更に悲鳴をあげるばかり。
教室に入ると、摩耶が心配そうに近寄ってきて。
泣くのを必死に堪えた。
こんな場所で泣きたくなど無かった。
達巳の退学が決まり、担任が達巳の私物と机を撤去してしまって、嫌でも現実なんだと思い知る。
こんな調子で卒業まで持つのかと不安にも襲われた。
でも、達巳と約束したんだ。
Γ絶対卒業して?俺の分まで。卒業したら一緒に暮らそう?それまで俺も頑張るから」
達巳は、バイトを増やすと言ったが、それ以上に定職に就きたいらしく、平行して職を探すと言っていた。
Γ……無理しないでね?達巳が倒れたりするのは嫌やから」
Γ分かっとるよ!俺、そんなに弱くねーぞ?」
だから、あたしは達巳の居ないこの学校を卒業しなくちゃならない。
大事な約束………守らないと。

