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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

結局、5着試着して3着買った摩耶は、店員さんに気に入られお店を後にした。
ショッピングバックを一旦、駅のコインロッカーに預け、雑誌で見たというカフェでパンケーキを食べることになった。
Γパンケーキだけじゃなくて、ご飯もおいしいんやって!そこでお昼にしよ♪」
あたしは、頷き雑誌に書いてある地図を見る。
複雑に描かれた地図は、今自分がどこに居るのかも分からないほどだった。
Γ広いな~都会は」
Γね。誰かに聞いた方が早いかもね」
Γだね。でも都会の人ってさ、冷たいとか聞くよね?シカトされたりして」
Γまさか、さすがにそれはないでしょ」
なんて、言ってみたものの。
まさに都会の洗礼を受けた気がした。
町行くサラリーマンは、シカトを決め込み大学生らしき男性は耳にウォークマンを差して聞こえない振りをする。
ただ、道を聞きたいだけなのに、煩わしそうにあたしたちの横をすり抜けていく。
まるで、無関心。
ただ下を向き、前に進むロボットのように見えた。
Γどうしよう…交番にでも行く?」
摩耶がそう提案した時―――――。
Γお困りかな~?御嬢さんたち」
背の高い男性が声を掛けてきた。

