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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

Γ御嬢さんたちは、旅行中?」
Γはい、修学旅行で♪」
Γえ!じゃあもしかして高校生?」
Γはい♪JKです!」
摩耶と進藤と呼ばれた茶髪イケメンが前を歩き話しているのを、後ろで眼鏡イケメンと並んで歩きながら見ているという不思議な光景だった。
Γ俺達は医者なんだよぉ~こう見えて。今日は出張でここに来たんだけどね~」
Γえー!お医者様なんですね!カッコイイです!」
Γ摩耶、ちゃんと前見ないと転ぶよ?」
進藤さんに夢中になりすぎて、さっきから通行人とスレスレにすれ違っているのに気が付いてないようだ。
ぶつかって、それこそドラマのようにイチャモンつけられたら困る。
Γフッ。母親みたいだな」
隣の眼鏡が笑った。
目を細めて、バカにしたような笑いだったがその笑顔はとても綺麗だった。
Γせめて、姉妹にしといて下さい」
Γああ、そうか。姉妹か」
母親しか思い浮かばなかったと、また笑った。
Γあれ?柏木さん、何かいい雰囲気?」
Γ進藤君、少し黙って下さい」
冷静な柏木さんと、チャラい進藤さん。
いいコンビだなって笑えた。
Γあたしは、摩耶!この子が楓でーす!」
摩耶は進藤さんと柏木さんに勝手に自己紹介を始める。
Γお!摩耶ちゃんに、楓ちゃんね♪じゃあこれ、俺の名刺あげちゃう~」
進藤さんは胸ポケットから名刺入れを取りだし、あたしたちに渡してくれた。
橘病院、精神科医、進藤彰
そう書かれた名刺の裏には携帯の番号が書いてあった。

