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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

Γ早く一緒に住みたいな。この家を出て、楓と二人で。だから俺、頑張るよ。お金貯めておくんや」
Γあたしも、ちゃんと高校卒業する。就職もして、達巳の負担にならないように、家賃も半分払う」
Γそうやな、頑張ろうな。二人で」
約束したんだ。小指と小指を絡めて、二人の未来を。
それだけを目標に、俺は働くから。
何が何でもやってやる。
強く、熱い決意を胸に宿して、今歩き出す。
楓が居れば、俺は頑張れるから。
Γ好きや、大好きや」
Γあたしも。達巳が大好き」
抱き締めて、このまま眠れたらどれだけ幸せか。
楓が帰って、残されたのはあの写真。
本当に綺麗な場所だ。
いつか、ここに楓と二人で行けたら。
その時は、俺楓にプロポーズとかしたりしてな。
きっと、驚くだろうな。
その時の楓の顔、写真に残してやろうか。
そんなことを思いながら、そっと写真をしまった。

