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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


「とぉぉっても美味しかった!達巳、ありがとう」

「良かった、楓が満足してくれて」

「ちょっとだけ、お姫様になったみたいだった」

「楓がお姫様?女王様の間違いやろ?」

そう言うと、思いっきり肩を叩かれた。

機嫌が悪くなりそうな楓を宥めて、俺たちは帰宅する。

ホントはこのままホテルにでも行って、楓を愛したいのだけれど。

楓の家が厳しくなったらしく、22時までには帰らなければならない。

「ホント、最近前にもましてお母さんがうるさくて。お父さんは相変わらず朝帰りが多いし…」

「母ちゃん寂しいのかもな。誰も居ない家に一人で」

その気持ちなら俺は分かる。

母ちゃんも、鈴も居ない家で独りぼっちだったから。

楓は、背伸びして俺の頭を撫でた。

「達巳は、もう一人じゃないよ?」

そんなことを切なそうな顔で言うもんだから本当にホテルに連れ込んで楓を抱きたい衝動に駆られてしまう。

どうして、そんなに俺のツボを刺激するんだろう。

我慢してる身にもなれってんだ!

「楓の母ちゃんも一人じゃないって言ってやれ。ちゃんと楓が居る。卒業したら家を出るんだから今のうちに、一緒に過ごさなきゃな」

楓の頭を撫でれば、理解しているけど理解したくないって顔をしていた。

「また、すぐ会えるやん。今日はお互いお預けな」

楓の家の近くで、軽いキスをする。

深くなると俺が止まらないから。

楓の名残惜しい顔。

煽られるけど、グッと我慢する。

いずれ、一緒に住めるからと自分に言い聞かせた。



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