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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

帰り道、見上げた星空は最高に綺麗だった。
何もかもを吸い込みそうな漆黒の黒に目映く輝く星。
いい気分だった。
高峰さんに感謝をしながら、家路に着く。
明日、報告しよう。
お礼を言わないと。
思い出すだけで、瞼の裏には楓の笑顔が浮かぶ。
俺は本当に楓が好き。
今すぐにでも拐いたいくらい。
けれど、子供な俺たちはまだそれが出来ないから歯痒くて焦ってしまう。
早く大人になりたい。
自立して、彼女を守れるくらい強くなりたい。
握った掌は、まだその強さを得られていない。
もどかしい感情をそっと仕舞って眠りについた。
幸せは、意図も簡単に壊されることをまだ俺は知らない。

