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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

郷田俊樹………ニヤリと笑ったその顔に皆の目玉が注目する。
Γ何でだ?理由は?」
監督に促され、郷田は口を開く。
Γ昨日の夜、高そうなレストランに入っていくの見たんすよね。きっと、事務所の金でうまい飯食ったと思ったんすけど」
Γふざけんな!俺じゃねぇ!あれは、俺の金で行ったんだ!」
Γわっかんねぇじゃん?新人でそんなに給料貰えてないはずなのに、あんな店に女と入っていくの見たら怪しむのが普通じゃね?」
郷田は終始ニヤついていて、俺は腸が煮えくり返りそうだった。
Γ達巳、正直に言えよ?金は取ってないんだな?」
Γ当たり前ですよ!そもそも事務所のどこに金があるのかも知らないんすよ?」
Γそうっすよ!監督!俺は昨日達巳と一緒に居ました。そんな素振り無かったんすから!」
高峰さんも声を荒げて反論してくれた。
監督は、唸りながら誰を信じたらいいか分からない、そんな顔をしていた。
Γ警察呼ぶしかねぇな。もういい、お前ら仕事に戻れ」
監督は、解散を言い渡し俺たちは仕事に戻った。
だが、疑われたままの俺はイライラしっぱなしで郷田の元まで向かった。
Γおい、適当なこと言ってんじゃねぇぞ」
Γはぁ?俺は事実を述べただけ。疑われるような行動する方が悪いんじゃねぇの?」
Γ――てめぇ!!」
殴りかかる俺の腕を止めたのは、高峰さんだった。
Γ落ち着け、達巳」

