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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

Γ高峰さん……」
Γてめぇも、勝手なことばっか言ってんじゃねぇ。証拠があるなら持ってこい。コイツは俺の大事な後輩だ。言い掛かりつけるなら、容赦しねぇぞ」
高峰さんが睨みを効かせると郷田は舌打ちをして現場に向かう車に足を進める。
俺も高峰さんに引っ張られて車に乗り込んだ。
Γ何があったか知らねぇけど、アイツには気を付けろ。俺も注意して見とくから」
Γすいません、アイツは。郷田は高校の先輩で昔俺と喧嘩して負けたんです。だから、恨んでるらしくって」
Γ女々しいな…まぁ、俺が居るから大丈夫だ。達巳も一人で行動するなよ」
その言葉が頼もしくて、俺は泣きそうだった。
いい先輩を持てて良かった。そう思えた。
Γさぁ、切り替えて仕事しようぜ。怪我するのはごめんや」
Γはい!」
郷田はムカつくけれど、仕事は仕事と割りきる。
どうせアイツとは現場が違うから。
その日はイライラをがむしゃらに働いて消し去った。
汗を流しながら、声を掛け合って仕事する。
この瞬間が俺は好き。
仲間同士助け合って働く。
この仕事は俺に向いている気がして、だからこそ郷田のせいで辞めたくは無かった。

