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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

夜になれば、楓からの着信。
お互いの一日を報告するのが日課になりつつある。
Γ今日、摩耶が授業中にイビキをかいて寝ちゃって皆が笑いを堪えるの必死だったんだよ~」
Γイビキとかウケる!アイツ女捨ててるな」
楓も最初の頃は俺が居ないから学校に行きたくないと溢していたけれど、今では約束通り卒業に向けて頑張っている。
高校を卒業した先の楽しみの為に必死で勉強しているらしい。
もう、あの屋上でサボったりしてないんだとか。
Γ俺はね、今日……」
一日を振り返って、ハッと気付く。
郷田に絡まれ、犯人扱いを受けたこと。
先輩が助けてくれたこと。
でも、これって楓に報告していいのか?
郷田を心底嫌う楓には言う必要がない気がして俺は仕事でミスをしたけど、先輩が助けてくれたと言う話を楓にした。
これでいい。楓には郷田の話をしても心配かけるだけだから。
そうやって、楓に報告する内容は事実とは異なる事が増えていった。
だって、それから毎日のように郷田は俺に絡んできたんだから。

