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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

Γやっぱりお前の仕業かよ!!」
Γさぁ?何のことやら。いいか、明後日までに10万用意しろよ。愛しい楓ちゃんの為にさ」
Γふざけんなぁぁ!!」
Γじゃないと今度は孕ましちゃうかもね、じゃ!」
郷田は手を上げて背を向ける。
殴りたい、殺したい、そう思うのに体は動かない。
楓に何かあったらと思うと、何も出来ない。
Γクソッッ!!」
堪えられない怒りはブロック塀にぶつけた。
拳から血が出て、流れ落ちる。
何も守れないじゃないか!!
高峰さんも、楓も。自分さえも。
全部アイツの思い通りになっていて、俺はただ転がされているだけで。
俺のせいで周りに迷惑が掛かっていたのに、何も出来ないんだ。
ごめんなさい、高峰さん。
俺のせいで巻き込んで。
許せない、郷田が許せない!
憎くて仕方がない。
夜空に叫んだ俺の声は暗闇に吸い込まれていった。

