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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


真夜中、あたしは摩耶に泣きついた。

突然の電話に文句も言わず、ただ泣いているあたしに付き合ってくれた。

涙声で叫ぶあたしに、明日会おうと言ってくれて眠るまで電話を繋いでいてくれた。

日曜日、目を腫らしたあたしを見て摩耶は自宅に誘ってくれた。

両親は共働きで家に居ないからと、摩耶の部屋に通された。

ジュースとお菓子を用意してくれて、向かい合って座ると摩耶が口を開いた。

「で、何があったわけ?」

あたしは達巳からのメールを見せながら状況を話す。

話している間も、気を緩めれば泣きそうで必死に堪えた。

「なるほどね~。楓には酷だけどさ、あたしの経験からすればこれは浮気の可能性があるよ?」

「う、わき?」

「どれだけ仕事が忙しくても24時間仕事なわけないじゃん。疲れていても、彼女にくらいメール出来るでしょ?」

そう言われたら何も言えなくなる。

一番考えたくないことだから。

でも、達巳にかぎってそんなこと…頭を横に振って嫌な想像をかき消した。

「摩耶、どうしよう。あたし達巳を今少し疑いそうになったよ。嫌だよそんなの」

「落ち着いて楓。ごめんね不安にさせて。達巳君を信じるしか無いんだよね。こういうのって。あたしが言ったことは忘れて?」

「ううん、でも摩耶が言ったことは正しいよ。可能性が無い訳じゃない。でも確かめるのは怖いや…」

「誰でもそうだよ、こういうのって女が一番ダメージ受けるんだから」

もし仮に達巳が浮気していたとして、バレた達巳と浮気された事に気付いたあたし。

どちらがダメージデカいのだろうか。

やっぱり、後者かな?

こんなこと考えてしまうのはやっぱり達巳を疑っているのだろうか?

怖いよ、信じきれない自分が。

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