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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

「くだらない…今までは達巳とサボってたって何も言わなかったくせに」
「今までは達巳君フリーだったから。それに楓と達巳君は皆が付き合ってるんじゃないかって噂するレベルに仲良かったから心配なんでしょ」
そんなに心配なら達巳の首に鎖でも繋いどいたら?と思ってしまう。
実際にそんなことされたら、あたしは引くけど。
「まぁ彼女なんてそんなもんよ。女は嫉妬する生き物だし」
恋愛経験豊富な摩耶がどこか誇らしげに語るのが癪に触る。
あたしは未だに彼氏が居たことが無いから分からないし、仕方ないのかもしれないけど。
せっかく晴れ晴れとした心が、今度はイライラで陰りを見せた。
達巳と瞳の問題は、ジワジワとあたしにも影響している。
早く別れてくれないかな。
達巳のこと、独り占めにしたいとかそんなことは思ってないけれど、達巳の人気もここまで来たら面倒くさいだけだ。
昼食を終えた頃、今度はあたしたちの周りをクラスの女子が囲んだ。
皆、何か言いたそうな怒りを含んだ顔をしてあたしたちを、正確にはあたしを見下していた。
「北川さん、席外してくんない?」
女子の一人が摩耶を邪魔だと言いたげにそんなことを言う。
「は?何?あんたたち」
摩耶はキレ気味に睨みを効かせるが効果無し。
あたしは、溜め息を一つ溢して摩耶に離れるように言った。
これは、あたしの問題だ。

