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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

「最近人が急に辞めていって、残業が増えてさ。帰っても寝るだけみたいな生活で、そんな時に楓に連絡したら気を遣うやろうなって思って連絡出来んかった」
「そうなんや…全然気にしなくていいんやよ?達巳から連絡無い方があたしは嫌や」
「そうか…ごめんな。今日はお詫びに楓の好きなところ行こうか!」
「やったー!どこにしようかな~駅前に新しくお店出来たみたいだからそこに行こうかな」
本当はどこでも良かった。
達巳とこうして会えて話せる。それだけで幸せだから。
「じゃあそこにすっか!」
「うん!」
手と手を繋いで、駅前を目指して歩く。
もうすぐで11月。冬の香りが徐々に漂ってくる。
達巳の体温を感じながら歩くあたしは幸せいっぱいのオーラを纏っているだろう。
じわじわと忍び寄る魔の手に気付かないまま…

