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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

駅前は開発が進んで若者向けのお店が増えてきた。
ファッションブランドのお店のショーウインドウには綺麗なコートを着たマネキンが並んでいた。
少しだけ立ち止まり見入っていると、達巳は笑って。
「楓が着たら背が足りんくて引きずるんやない?」
「そんなことないし!そこまで小さく無いし」
なんて、冗談を言い合う。
お昼時、お腹も空いたあたしたちはカフェに入り、あたしはパスタを、達巳はオムライスを頼んだ。
「駅前こんなに変わったんやな」
「そうだね、去年までは殺風景だったもんね」
「こんな風に時代は変わるんやな…」
「達巳、おじいちゃんみたいだよ」
達巳が小突こうとした時、丁度タイミングよく注文したご飯が運ばれてきた。
湯気を出して色鮮やかなパスタを眺めつつ、達巳のオムライスにも視線を注ぐ。
「少しあげるから心配すんな」
「そんな食い意地張ってるように見える?」
「見える」
「即答!?」
そう言いつつ狙ってたんだけども。

