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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

「間もなくイルカショーが始まります。ご観覧の皆様はお急ぎ下さい」

館内アナウンスが流れると、達巳はあたしの手を引き、走り出す。

「イルカショーが目玉なのに時間忘れてた!」

通路に居る人を掻き分けて、一旦外に出るとイルカショーが行われる建物に入る。

観客席の上に屋根があり、目の前は巨大なプール。

最前列のお客さんは透明な合羽を着て座っていた。

あたしたちは後ろから2列目の席に座る。

プールを見下ろす形で一望できるこの場所。

間もなくして、一人のお姉さんがマイクを通して声を掛ける。

「お待たせしました!イルカショーの始まりです。大きな拍手でイルカたちを呼びましょう」

そのコールを合図に会場は拍手に包まれ、プールから大きなイルカが飛び跳ねて出てきた。

すごい水しぶきが上がり、それだけで最前列はびしょ濡れだ。

「うわーーーー!すごい!」

イルカの自己紹介が終わり、次々に演目が披露されていく。

ボールを跳ね返したり、輪の中を潜ったり。

成功するたびに餌を与えられ満足げなイルカにメロメロだ。

「可愛すぎるよ…」

目を奪われ心も奪われたイルカショーは30分程で終了した。

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