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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


腕に抱いたイルカのぬいぐるみをギュッと握る。

キューって鳴いてしまうんじゃないかってくらい握ったらイルカは少しだけ形を変えていて。

それを見た達巳が頭をポンポンってしてくれたから、視線を達巳に合わせたら、あたしと同じ顔をしながら笑っていた。

Γそんな顔するなよ。まだデート、終わってないし」

Γごめん…何か切なくなって」

Γいーよ。あんましイルカさん虐めんなよ、顔潰れてるやん」

大事なイルカさんだろって、今度はイルカの頭をポンポンしてくれた。

その後、ご飯に行って達巳とあたしの家の近所にある公園で夜空を見上げた。

今日は達巳のお母さんが家に居るから、おうちには入れなくて。

公園のベンチに浅く腰掛けて、その後ろに達巳が座って抱き締めてくれた。

頭の上に顎を乗せて、さっきからイルカを動かして遊んでいる。

それを見ながら、達巳の体温を後ろに感じて。

やっぱり毎回、このまま時が止まればいいのにって思ってしまう。

Γ達巳……チューしたい」

ちょっとだけ。我が儘を言えば達巳は叶えてくれる。

顔を横に向けたら達巳はしてくれた。

浅く、何度も。

そのうち、深くなって。

このまま抱かれたいけれど、我慢して。

ひっそりした公園で、か細く灯る外灯の下で。

キスをした。



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