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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

仕事が終わって、いつもなら郷田が俺の金を奪いに来るのだが、今日は俺の現場の方が早く終わったらしく事務所に郷田は居なかった。
日払いの給料を手に、俺は事務所から飛び出し駅に行き、繁華街を目指した。
ネットでは、クスリを販売する店の情報が書かれていて、俺はその中の一つの店を訪ねることにした。
これで、最後にしよう。
もう一度だけだから……。
心の中で何度も反復する。
店は、意外に普通でもっと路地裏とかでひっそりやっているのかと思いきや、通りに面した店舗だった。
店内に入ると、帽子を深く被った若いお兄さんが立っていて、色んな種類のクスリを販売していた。
名前は、もちろんクスリとは書いていない。
お香や、ハーブって名前を使っているけれど間違いなくこれはクスリだ。
昨日使ったものと、同じものを購入して店を出た。
早く、帰って使おう。
悪いことをしているって分かっているけれど、どうしても止まらない欲望。
これが、最後だから。
何度も何度も帰宅するまで心で唱えた。

