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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


クスリを使ってから、俺の心はまるで悪魔と天使が同居したようにぐらぐらと揺らぐ。

Γ楓にちゃんと言おうよ」

Γ黙っとけよ。バレないって」

Γ郷田にあんな嫌がらせされて、仕方なくやったんだよね。でも、大切な楓に嘘をつき続けるの?心配させたくないって気持ちも分かるけど、何も知らないままいるのって余計に悲しませちゃうよ」

Γうるさいぞ、そんなのは達巳のエゴだろ。知らないことの方が良いことだってある。知らせて何になる?達巳の肩の荷が降りるだけだろ?楓に背負わせるのか?その重荷を」



Γ……うるせぇ、黙ってろ」

本当は分かってる。

何が正しいのか。

それでも、どうしたらいいのか分からないって悩んでいるんだ。

悲しませたくないなんて、自分勝手だ。

悲しませるような事をしたのは自分で。

郷田のことを伏せたのも、きっと心配させたくないって建前で本音は郷田に屈してる自分を隠したかっただけ。

どこまでも弱いんだ、俺は。

それでも、もう戻れない。

過去は秒速で流れていく。

選択を悩んでいる間にも時間は進む。

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