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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


悩んで、悩んで。

仕事しながら日は進んで、意を決して楓に連絡した。

デートの誘い。

俺と、楓の最後のデート。

そう、俺が選んだ選択肢は―――――――


Γ…………達巳?」

ひっそりとした公園のベンチに腰掛け、俺は気持ちを伝えようとタイミングを図っていた。

キスをせがまれ、楓と最後のキスをした。

柔らかい唇は俺を包み込み、動き回る舌に快感を感じながら、また心はぐらぐらと揺れる。

勝手に最後と決めていたデート。

楓の喜ぶ姿が見たくて思い付いた水族館。

あんなにはしゃぐなんて思わなくて。

楽しかったけれど、同時に切なくなった。

もう、楓の笑顔も、握る手も。

柔らかい唇も、その唇から紡がれる俺に向けた優しくて愛しい言葉も。

もう、全部無くなるって思ったら。


Γ泣いてるの………?」

頬を流れる雫を指で掬う楓。

裏切ったのは自分だから。

泣いたらダメだって思ってたのに、どこまでも情けない男だな、俺は。

Γ楓………話がある」

揺れに揺れた心は、覚悟を決めたように動かなくなった。

最後の揺さぶりのように、冷たい風が吹いて前髪が揺れた。

楓の瞳を見つめて、告げる言葉は………。


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