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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

Γ疑いたくなかったよ!信じようとした!今日だって達巳は優しくて、あたし。幸せだったもん!なのに…何で?理由があたしには分からない!それくらいしか思い付かない!あたし、何かした?達巳に嫌われちゃうことした…?」
Γ楓は悪くないよ!俺が悪いから。ごめん、自分から別れようって言っといて。ちょっと怒って。でも浮気してないから!それだけは無いから」
Γじゃあ…余計分かんないよ!あたし、達巳のこと分かんない」
Γ……俺は。もう楓の彼氏になる資格ないんや。だから終わりにしよう……楓の事を幸せにしてやれないから。」
Γ……いやだよ……分かんない!幸せだよ?あたし幸せだもん。達巳が居ないことの方が不幸だよ!」
どれだけ言葉を並べてもちゃんとした理由を話せない俺に楓は必死に言葉をぶつける。
気付けば、イルカは楓の腕から落ちて地面にポトリと落ちていて、そのイルカが俺を責めるように睨んでいる気がした。
Γごめん。もう会わないから。俺のことは本当に忘れて幸せになって」
これ以上話しても、お互い前に進まない。
俺は楓に背を向け歩きだした。
浮気だったら、どれだけよかったか。
クスリを使った事は結局言えなかった。
Γ弱虫野郎だな、てめぇは」
心の悪魔が俺にそう吐き捨てた気がした。

