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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

次の日、朝は変わらずやってきて。
結局一睡もせずに出勤となった。
クスリに頼って、夜通し笑い続けた。
俺、本当に楓と別れたんだ。
ボンヤリする頭の中は、これで良かったんだと。
自分を必死に正当化した。
事務所に入ると高峰さんが煙草を吸っていて、挨拶をして隣に座った。
Γ達巳、ひどい顔してるけど。体調悪いんか?」
Γいえ。昨日…彼女と別れたんです」
Γ……そうか」
Γ俺、最低で。彼女のこと、裏切って」
Γ浮気でもしたんか?」
俺は首を横に振る。
小さな声で、心の声を溢した。
誰かに聞いてほしかった。
俺の過ちを。抱えきれない闇を。
Γクスリに……手出しました」
高峰さんは、煙を吐き出し煙草を灰皿に押し付けた。
Γ達巳、顔貸せや」
その声は今まで聞いたことがないくらい低くて、俯いていた顔を上に上げると、高峰さんは悲しい顔をして俺を殴った。
激しい衝撃に椅子から落ちて、俺は口の端を切った。
そんな俺の胸ぐらを掴んで、睨む高峰さん。
Γ何でや?何でそんなもんに手出したんや!」
Γ……ぅぐっ。ごめんなさい……」
Γ何かあったら俺に言えって言うたよな!何でや!」
俺は言葉が出てこない……。
恐怖からじゃない。高峰さんも裏切ってしまったんだって気付いたらもう、何も言えなくなった。
Γ何しとんのや!!」
事務所の扉が開いて他の従業員が入ってきた。
高峰さんは、手を離し俺は床に倒れた。
Γすんません、喧嘩しちゃいました」
高峰さんは、謝りながら俺を起こす。
Γたくっ。そんな力があったら働け!」
怒られながら、高峰さんは、苦しそうに俺を見た。

