この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

◇
達巳に別れを告げられて、どうしようもない悲しみが襲って眠れぬまま朝を迎えた。
公園で落としてしまったイルカのぬいぐるみはあたしの心のように薄汚れいる。
何で?とどうして?そればかりがぐるぐる回って答えは見つからない。
けれど、あたしと達巳が別れたその事実だけが残って。
幸せは脆く壊された。
次の日、学校に行っても全然笑えなくて摩耶がすごい心配していた。
でも、摩耶に別れたことを言えなかった。
言ってしまえば、もう取り返しのつかない現実になりそうで。
大丈夫だよ、なんて説得力の無い顔で何とか誤魔化した。
家に帰っても、達巳のことばかり考えてまた泣いた。
卒業することも、今こうして学校に通うのも全部達巳が居たから頑張れること。
無気力ってこういう状態なんだって思い知らされる。
食欲も無くて、母親には体調不良だと嘘をつき、夕飯は食べなかった。
部屋に籠れば達巳の事しか考えないで済む。
いつもはそれで良かったのに。
今は考えたくなくても頭の中を支配する達巳の存在が頭痛を引き起こす。
寝てしまおう。
そう思ってベットに潜った矢先、携帯がメールの着信を知らせた。
それは達巳専用の着メロ。

