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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光


狭い町内、達巳の死はすぐに回りあたしは母親と共に達巳の家に向かった。

既に参列者が入り口で名前を書いていて、その中にはクラスメートの名前あった。

泣き声と、啜る音。

小声で会話する音。

独特の雰囲気がそこにあった。

名簿に名前を書いて、達巳の家に入る。

居間だった場所がお通夜の会場だ。

一人、また一人、棺の中に眠る達巳に語りかける。

あたしの前に居たのは、一人の男の子。

背中しか見えないが、あたしと同じ学校の制服を着ている。

その彼が、泣き崩れながら達巳に叫ぶ。

「お前、守るって言ってたじゃんか!何で彼女置いて死ぬんだよ!ふざけんな!」

怒りながら泣き、達巳の死を悔やむその姿。

彼が振り返った時、目が合った。

「斉藤……」

「翼くん…」

彼は、前にあたしに告白してきた男の子。

昔は金髪だったのに、今は大人しい黒髪だ。

達巳とは特に仲が良かった。

「挨拶、ちゃんとしてこいよ…」

「うん…言われなくても分かってる」

「相変わらず俺には冷たいね、じゃ先に出るわ」

あたしは頷き、そして漸く達巳の顔を見た。

事故で体は見せられない状態らしく、奇跡的に顔だけはかすり傷だけだった。

棺に眠る達巳は首元までお花や布で隠されていた。

「達巳くん、可哀想に。辛かったね」

母親が辛そうに顔を歪める。

あたしは、達巳に話したいことがたくさんあって、でもうまく言葉が出てこない。

たった一言、言えたらそれでいいのに。

達巳…愛してるよ…

あたしは眠る達巳にキスをした。

硬くて冷たい唇。

もう笑いかけることも、話すことも。

抱き締めることも無い。

もう二度と戻らない。

だから最後にキスをするの。

あたしの熱を感じて、どうかゆっくりとおやすみ…達巳


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