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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち



瞳との交際が始まって一週間。

俺と楓が一緒に居る時間は極端に減った。

サボりも、瞳が着いてくると言い出して楓から俺を離そうとしているのが分かった。

別れよう、何度も伝えたけど瞳はその度に泣きわめいて俺を困らせた。

どうしたら、いいのか分からずダラダラと過ごしている。



放課後、瞳が一緒に帰りたいと俺の腕を掴んで歩き出した。

教室に残された楓をチラリと見ると、俺と目が合ったのにすぐに視線を外された。

無表情で何を考えているのか分からない俺は頭の中が楓の顔でいっぱいになる。

別れたいと言っていた癖に、仲良く下校してるじゃん。

なんて、言われている気がして被害妄想が膨らむ。

そんな俺を知らずに、昨日のテレビドラマが面白かったとか商店街で見つけた服が可愛かったとかペラペラ話す瞳に空返事をしていた。

「ねぇ、達巳君。あたしのこと好き?」

突然、真剣な声で問われる。

好き?なんてよく聞けたものだ。

俺は何度も別れたいと伝えているのに。

返事が出来ずに視線を外せば、瞳から予想外の言葉が紡がれた。

「好きじゃなくてもいいから。あたしを抱いてよ」

「は?」

何を言っているんだろう。自分のことを好きじゃない男に抱かれたいだと?

瞳の目は悲しげだけど、真剣だった。



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