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ラストチルドレン
第6章 貴方の居ない世界

Γ楓、無理しないでよ?あたし本当に心配や。急に国立行くなんて言い出してさ。たまには息抜きに遊ぼうよ」
Γごめんね、摩耶。でも大丈夫だから。終わったら遊ぼう!その時までは……ごめん」
昼休み、あたしの心配をする摩耶にそう答えた。
摩耶は就職組だから、あたしの猛勉強にそこまでする必要があるのかと、首を傾げる。
でも、ほとんど勉強してこなかったあたしは時間がいくらあっても足りなかった。
塾に通うお金も無いし、自力でやらなきゃ。
お弁当を早々に食べ終え、また参考書を広げるあたしに摩耶はこう呟く。
Γあの日から全部変わったね。何だか楓じゃないみたい。あたしには何も出来ないけど、辛くなったら言いなよ?」
Γありがとう。本当に大丈夫だから、ね?」
これは、あたしが選んだ道。
もう、そこに彼は関係ないんだよ。
恋も愛も終わり。
あたしの中には無数の数式、文法、英単語。
それだけが詰まっている。
それだけで、いいんだ。
立ち止まってしまったら、あたしはもう歩けない。
歩けないんだ………。

