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ラストチルドレン
第6章 貴方の居ない世界

春の訪れがもうそこまで来ていて、来年の4月には新しい生活が始まる。
落ちても受かっても、あたしたちはもう子供じゃ居られなくなる。
高校生、その響きが無くなって。
あたしたちは社会に飛び出す。
達巳が一足先に飛び出した社会に。
ラストチルドレン。
どんなに足掻いても、時は止まらない。
達巳……その景色はどんな色だった?
お金を稼ぐって大変だよね?
結局、バイトもしたことが無いあたしには
まだ分からないけれど。
達巳が見た景色、あたしもいつかは見れるんだ。
その時までは、会わないね。
同じ景色を見るまでは………貴方に会わない。
これは、あたしが決めたケジメみたいなものだよ。
貴方を守れなかった、あたしの。
勝手な想い。
寂しい、って思ってる?
それともやっぱり俺のことは忘れろって言うのかな?
バカ達巳。
どんだけ頑張っても、もう貴方は褒めてくれない。

