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ラストチルドレン
第6章 貴方の居ない世界


大学では、それなりに出会いがあって。

友達が出来て、サークルに勧誘されたりもしたけれど。

ポッカリ穴が出来たように、何に対しても無気力だった。

学びたいものがあるわけじゃない。

就活に有利な資格を取って、苦労をかけないようにただ生きていく。

目標も無く、バイトしなきゃってそれだけで。

母親が頑張って働いている、だからあたしも頑張る。

それだけなんだ。

達巳の居ない世界で、あたしは何もかも失ってしまった。

希望も、未来も。

そんなあたしに、翼くんだけはずっと傍に居た。

Γ飯、行こうぜ?」

講義を受ける場所も違うし、あたしの所までは広い校舎で遠いはずなのに 。

毎日、あたしの所にやってくる。

Γあたしたち、先に行くね~ごゆっくり~」

友達は翼くんとあたしが付き合っていると思っているのか、こうやって要らない気をきかせて立ち去っていく。

Γ……友達は居ないの?」

Γ居るわ!けど、俺は楓とご飯行きたいの!」

呆れるほど、あたしに寄り付いて離れない。

冷たい言葉を何度浴びせても無駄だった。

Γほっといたら、飯食わねーだろ。高校の時もそうだったし」

Γ気付いてたんだ」

Γ当たり前だろ、常に見てんだよこっちは」

Γストーカーって言うんだよ、そういうの」

Γうるせぇ。何とでもいいやがれっ!ほら、行くぞ」

やっぱり、離れてはくれないんだ。



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