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ラストチルドレン
第6章 貴方の居ない世界
大学が終わればバイトに向かう。
週5で入っている居酒屋は駅前にあって。
同じ大学の子たちがたまに訪れる。
働くのは、初めてで。失敗ばかりしては怒られる日々。
たった5時間だけど、その時間が長く感じるのは慣れないせいなのか。
働くことの大変さを思い知る。
Γいらっしゃいませー!」
従業員の威勢の良い声がして入り口を見れば。
知っている人がそこに立っていた。
Γあ……高峰さん」
彼はあたしに気付いて、すごく驚いた顔をしていた。
一礼してカウンターに座る。
注文を取るため、あたしは彼の席に向かった。
Γ久しぶりやね、バイト?」
Γお久し振りです。大学の近くだったのでここでバイトしてます」
Γ大学かぁ~すごいな、中卒の俺には想像も出来んよ」
お水とお絞りを渡して、少しだけ話す高峯さん。
すぐにメニューを見て生ビールと枝豆を頼んだ。
オーダーを通して持ち場に戻る。
高峰さんは、少しだけ老けたような気がした。
きっと、苦労しているんだろう。
予期せぬ再会に、達巳の姿が頭に浮かんだ。