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ラストチルドレン
第6章 貴方の居ない世界
「また辛くなったらいつでもいいや。これ連絡先」
高峰さんは名刺を渡してくれた。メルアドと番号が裏に書かれていた。
「ありがとうございます。毎回泣いてばかりでごめんなさい」
「いいんよ?でもたまには笑顔も見せてな?オジサンにも」
「オジサンって…素敵なお兄さんですよ」
「ははっ!ありがとう。でも無理だけはしないこと。お兄さんと約束な」
高峰さんはブランコを降りて、あたしをタクシーで家まで送り届けてくれた。
またね、と手を振り別れた後。
どうしようもなく悲しくなって、すぐにベッドに直行した。
達巳があたしを好きなまま居なくなってしまったその事実は、もう自分の中では背けられない現実になりつつある。
誤魔化しても誤魔化しきれない。長いかくれんぼはまだ続いていく。
あたしが逝かない限り。
これから先も、あたしはこんな想いを抱えて生きていくのだろうか。
どうすることが正解なのか、答えは出ないままいつの間にか夢の世界に堕ちていた。