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ラストチルドレン
第7章 ラストチルドレン

週末、電車を乗り継いであたしたちは達巳のお墓に向かった。
お昼過ぎに着いたから、とりあえずご飯とおいしそうな洋食屋に入る。
「ここうまいらしいよ、雑誌に書いてあった!」
翼くんは事前に下調べしたのか、そう言いながらメニューを開く。
「オムライスにしようかな」
「じゃあ俺ピザとパスタね。すいませーん!」
店員さんが注文を取りに来て翼くんが注文してくれた。
「ここまで、ホント長かったな」
それは、距離ではなくて時間のことだろう。
翼くんは本当に大学時代彼女も作らずあたしの傍に居た。
正確には、うざがられないようにある程度距離を保ちながら。
マキを含め、大学内の女子から冷ややかな目を向けられたこともあった。
女の嫉妬が怖いのは高校から知っている。
それでも、あたしが傷つかぬように翼くんが守ろうとしてくれていたことも知っている。
だから、翼くんには感謝しているんだ。

