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ラストチルドレン
第7章 ラストチルドレン


お墓の前に立ち、達巳の名前が刻まれているのを見て本当にここにいるんだ。って実感してしまった。

「みぃーつけたっ」

長いかくれんぼが漸く幕を閉じる。

「達巳、迎えに来たよ」

ここに来るまで、色々あったんだから。

「ねぇこの景色最高でしょ?これを達巳に見せたかったの。先に見るなんてズルいよ。一緒に見ようと思ったのに…」

灰色の墓石に語り掛けても、当たり前だが返事は無い。

「達巳…もう…あたし大人になっちゃったよ?結婚も出来るし仕事もしてる。達巳だけだよ?子供のままなのは…」

あたしを置いてけぼりにして、自分は歳をとらないなんて。

「達巳のバカッ!!ちょっとは褒めてよ!こんなに頑張ったんだから!!」

「そうだぞ?褒めてやれよ。楓は頑張った。俺が一番知ってる」

頭に手の感触がして振り返れば翼くんが苦笑いしていた。

「二人きりにしようと思ったんだけど。叫んでたから…」

邪魔してごめんって言いながら達巳のお墓に向かって言い放つ。

「悪いけど、達巳。楓は俺がもらうからなっ!!」

翼くんは墓石に拳を突き出して宣言する。

「悔しかったら、化けて出てこい!!化けて楓に会いに来い!!」

翼くんの愛のある言葉にもういいよって、肩に手を置いた。

涙は相変わらず止まらないけれど、翼くんと来て良かったと思う。

一人ではきっと、耐えきれなかった。


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