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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

「あぁヤバイ。バイト遅刻や…」
5時半から居酒屋のバイトだったのに、夢中になりすぎた。
何やってるんだろうか。
「達巳君バイトしてるんや」
「まぁな」
「欲しいものでもあるの?」
「いや…欲しいものっていうか。その…」
歯切れの悪い俺に、ピタリと寄り添う瞳。
一糸纏わぬ姿のままで、俺は迂闊にも興奮しそうになった。
散々抱いたくせに。
「俺さ…親が片親で。ロクに帰ってこんし学費とか生活費が必要なんよ」
「そう…」
「つまんない話やろ?貧乏やし、惨めやし。だから、俺のことは忘れて、もっといい男捕まえた方がいいよ。デートもしてやれんし、ごめん。最低で」
本当に、誇れるものが一つもない。
自信を持ってアピール出きるものがない。
俺は何にも持ってないんだ。
こんな家に産まれたくなかった。
外で男を作る母親と、蒸発して消えた父親。
俺はいつも、この家で一人やった。
孤独を埋めてくれる場所は学校しかなくて。
必死に学費を稼いでいる。
ちゃんと高校卒業したら就職してこの家を出て自由になる。
今はただ耐えるしかないんだ。
「いいバイトあるんだけど、教えよっか?」
「……え?」
「めちゃくちゃ稼げるんよ」
その言葉に俺は生唾を飲んだ。

