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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち



瞳の取り巻きに罵声を浴びせられたあの日から、あたしは地味なイジメにあっていた。

子供かよって思う程それは幼稚で。

例えば机の中身を根こそぎ盗まれたり、ロッカーの中が荒らされて落書きされていたり。

どれも、達巳の目に触れない所。

誰も気付かない嫌がらせ。

摩耶に言うと、きっと怒り狂って手を出しに行きそうだから黙っていた。

こんなことをされても、あたしは構わなかった。

それで気が済むのならお好きにどうぞ。

強気な態度のあたしに、取り巻き達は面白くなさそうに舌打ちをした。


あたしが一番堪えたのは、達巳の事。

瞳と授業をサボる姿を何度か目撃した。

いつもなら、あたしを呼んで屋上に上がるのに。

体育館裏に瞳と達巳が消えていく姿を見た。

達巳は瞳が好きじゃなくて、仕方なく付き合っているはずなのに。

あたしと達巳は友達同士なはずなのに。

あたしは、もう達巳の隣に居ることを許されない。

隣に居れるのは、達巳があたしを呼ぶ時だけ。

少し前まで持っていた根拠の無い自信が打ち砕かれた気がした。

達巳にとって、あたしは特別でもなんでもなくて。

それはあたしの自惚れだったんだろうか。

達巳と話せない今、悲観的な言葉しか浮かばない。

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