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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

◇
瞳の取り巻きに罵声を浴びせられたあの日から、あたしは地味なイジメにあっていた。
子供かよって思う程それは幼稚で。
例えば机の中身を根こそぎ盗まれたり、ロッカーの中が荒らされて落書きされていたり。
どれも、達巳の目に触れない所。
誰も気付かない嫌がらせ。
摩耶に言うと、きっと怒り狂って手を出しに行きそうだから黙っていた。
こんなことをされても、あたしは構わなかった。
それで気が済むのならお好きにどうぞ。
強気な態度のあたしに、取り巻き達は面白くなさそうに舌打ちをした。
あたしが一番堪えたのは、達巳の事。
瞳と授業をサボる姿を何度か目撃した。
いつもなら、あたしを呼んで屋上に上がるのに。
体育館裏に瞳と達巳が消えていく姿を見た。
達巳は瞳が好きじゃなくて、仕方なく付き合っているはずなのに。
あたしと達巳は友達同士なはずなのに。
あたしは、もう達巳の隣に居ることを許されない。
隣に居れるのは、達巳があたしを呼ぶ時だけ。
少し前まで持っていた根拠の無い自信が打ち砕かれた気がした。
達巳にとって、あたしは特別でもなんでもなくて。
それはあたしの自惚れだったんだろうか。
達巳と話せない今、悲観的な言葉しか浮かばない。

