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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心




授業をサボって屋上に来て、知らぬ間に寝てしまっていて。

起きたら横に達巳が座ってて目が合った。

ぼやける視界の中でも、達巳だと分かってしまうのはあたしが十分に達巳不足なのだと思い知らされた。

瞳と別れたという話は密かに出回っていて、少しだけ安堵した自分が居たのだけれど。

達巳はあたしを呼んだりはしなかった。

別れたのに何故?という疑問が頭を駆け巡ったが、とうとう答えは出なかった。

それなのに、一人でサボっていたはずのあたしの隣に今は達巳が居る。

嬉しいのと、どうして?という疑問で頭が混乱した。

「達巳、いつからおったん?」

「さっき。楓が三時間目からおらんくなったから探しに来たらここに居た」

「何であたしを探したん?」

「楓と話したいことが出来たから。それじゃ理由にならん?」

首を横に思いきり振る。風を切る音が鼓膜に響いた。

嬉しい。達巳があたしを探して、話があるなんて。

去年は当たり前な事だったのに、瞳との一件で当たり前じゃないことを知って、鼻の奥が痛む。

油断したら泣いてしまいそうだった。

「話って?」

「今年の夏休み。二人で海に行かん?」

これは、夢なんじゃないかって思えた。

あたしは、まだ眠ったままなのだろうか?

達巳があたしを海に誘うなんて。

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