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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心


夏休みの前、期末テストの結果は散々だった。

赤点が2教科以上ある者は補修テストを夏休みのど真ん中に受けなければならなかった。

あたしと達巳は返ってきたテストをお互いに見せて大笑いした。

「せっかくの夏休みなのに何しとるんよ~達巳、赤点四つもあるし」

「楓だって三つあるやん!変わらんよ!」

あたしたちは、サボりすぎだと担任に怒られた。

夏休みの間に心を入れ換えろと言われてしまい、達巳は

「海で修行してきます」と、真顔で答えたらゲンコツをくらっていて、それもまた可笑しかった。


今年の夏休みは、少なくとも二回達巳に会える。

海と補修。両極端なイベントだけど、達巳に会えるならなんだって良かった。

きっと、去年のあたしに教えたら目を丸くして嘘だと叫ぶだろう。

「楓!また連絡するね!」

正門前で摩耶と挨拶をして別れた。

摩耶は今年の夏こそ長続きする彼氏を作ると意気込んでいた。

クリスマスを共に過ごすため、夏の間に男を狩るんだとか言って鼻息を荒くしていて、笑ってしまった。

それぞれが夏に期待をしている。

楽しい夏休みの始まりに、胸が踊った。

あたしと、達巳の夏休みも始まった。


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