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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち


階段を降りる二つの足音。

達巳の踵を引き摺りながら歩く音。

騒がしい、教室の雑談。

あたしは、学校が好きだ。

勉強は嫌いだけど、友達が居て達巳がいる。

それだけで、ここにいる価値がある。

「お前らまたサボりかよ」

クラスの男子がからかって、達巳に集まる。

あたしの好きな達巳は、皆も大好きな達巳。

誰にでも優しくて、笑った顔が可愛くて。

頼まれたことに、NOと言えないし、怒った達巳を誰も見たことが無い。

あたしは、そっと輪から離れて席に着く。

お母さんが毎日作ってくれるお弁当を鞄から出して頂きますをしようと手を合わせる。

「ちょっと!先に食べようとしんといてよ」

「いいじゃん。いただきます」

クラスの女子は、あたしとこの摩耶以外地味な子ばかりで。

あたしたちは浮いていた。

茶髪に校則通りに着ない制服。

ヤンキーだと陰で言われているのは知っている。

そんなことは、気にならなかった。

これが、あたしだと思っていたから。

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