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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心

「朝からソワソワして、何処行くん?」
七時頃からリビングで、テレビを見てるあたしに母親はそう言った。
「そんなに落ち着きない?あたし」
「テレビのリモコンそんなに押してたら、テレビ壊れてしまうわ」
「あ…」
今日は達巳と海に行く日。
昨日の夜、天気予報で確認した通り洗濯日和のお天気であたしは浮かれていた。
それと同時に、あと二時間で達巳が迎えに来る。
学校で会うときは、こんなに浮かれたりしないのに。
どうして、今日はこんなに心臓の音が煩く聴こえるんだろうか。
落ち着け…あたし。
服装は前に決めた通り、ラフにした。
はりきってるとか思われたくないし。
タオルも入れたし、携帯は充電済み。
財布の中身もばっちり。
なのに…急に不安になったりするのは何でだろう。
本当にあたし、達巳と海に行くのか?
当日になっても、信じられない。
何度も保護したメールを見て、現実だと言い聞かせる。
「海に行くから、帰り遅くなりそう。晩御飯はいらんから」
父親の弁当を作る母親にそう告げると誰と行くの?と聞かれた。
「達巳と行くけど?」
母親は、達巳とあたしがほとんど毎日下校しているのを知っている。
仲のいい男友達と、説明もした。

