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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心

「あんまり言いたくないけど、達巳君とは関わらん方がいい。火の無いとこに煙は立たんのよ」
母親の言葉にさすがに苛立ちが沸き上がる。
達巳の何を知っているの?
噂で聞いただけで、達巳と関わるなって?
ふざけるな……。
「いい加減にしてや!達巳のこと悪く言わんでや!何も知らんくせに」
「この町にはもう、あんたらしか子供がおらんのよ?あんたらが最後の子供…お母さんたちが生まれ育った町で、育ってきたんよ。だから、間違った道に進んで欲しくないんよ」
「そんなん知らんよ!あたしたちは生きたいように生きるし!友達も自分で選ぶ!お母さんたちの人形やない!」
怒鳴って、リビングを出て部屋に戻る。
あたしのことは、悪く言うてもいいけど達巳だけは…。
達巳の事だけは、許せなかった。
達巳が、繁華街に居たとしても。
親には関係の無い事。
達巳が、本当に繁華街に居たならそれなりの理由があるんじゃないかって。
それならば、自分の耳と目で確かめるまで、あたしは達巳のことを悪く言いたくない。
あたしは、達巳を信じてるから。

