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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心
「ねぇ、斉藤楓。一緒にサボらない?」

情けない男の声に、初めて視線が絡んだ。

「は?」

楓の第一声は、とても冷たくて。

そらそうだろうな、って今なら思うけどあの時の情けない男は何だか必死で。

「屋上で昼寝するの付き合ってよ」

そう言うと、警戒しながらも楓は頷いた。

古びた階段を登って、金属の擦れる音を響かせて扉を開ければ広がるスカイブルーの空。

柵の手前で情けない男は寝転がり、その隣に楓が座る。

「本当に寝るんやね」

「何で?」

「いや、告白されるか犯されるかと思った」

情けない男は、盛大に吹いた。

「なに、その2択」

「先輩によく呼び出されたから」

悲しい目をした楓に、情けない男は何となく離したくないと思った。

「ただ隣におって。俺は寝るだけやし」

瞼をとじて、風の匂いと楓の香水の匂いを感じながら夢の世界に行く。

いつしか、この匂いが無いと眠れなくなっていた。

楓が隣に居なければ、情けない男はきっと。

挫けて、死んでいたかもしれない。

楓が居たから、必死に学校へ行くお金を稼げたのかもしれない。

ただ、隣に居たい。

そう思えたのは、何度か一緒にサボった時。















こんな、情けない俺の隣に。

まだ一緒に居てくれますか?




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