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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心

「いったい何時だと思ってるの!?」
頬に衝撃を受け、ただ痛みを耐えた。
達巳と繋がれて、幸せに満ち溢れて帰りたくないと達巳の傍を離れなかった。
達巳は心配して何度も帰らなくていいのか?と言ってくれたけれど、あたしが離れたくなかった。
だから、帰宅が深夜2時を回ってしまったのはあたしのせい。
なのに、家の玄関の前で母親が仁王立ちしていたのに気付いたときヤバイと思った。
案の定物凄い剣幕で母親はあたしをぶった。
そして達巳を睨み付けた。
「あなたたち、高校生なのよ!?こんな時間まで何処で何していたの!達巳君、楓を連れ回さないで!あなたと楓は違うのよ!」
何が違うのか。あたしには分からなかった。
あたしと達巳は同級生で、友達で、今日想いを通じ合わせたのに。
どうして、達巳を責めるの?
悪いのはあたしなのに。
それなのに。
「こんな時間まで楓さんと居てすみませんでした。もっと早く帰るべきでした。本当にすみません。悪いのは僕です。楓さんは悪くないので怒らないで下さい」
そう言って達巳は母親に頭を下げた。
違うの!あたしが!
そう言いかけた時、達巳があたしの腕を引っ張って頭を横に振った。
「全部僕のせいですから」

