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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち
「じゃあまた明日な」
達巳とあたしの家は少しだけ近い。
でも達巳の家を通りすぎないとあたしの家には帰れない。
なのに、達巳はあたしを家まで送る。
そうして、元来た道を戻る背中をあたしは見つめた。
高校生のくせに、ピュアな青春。
男友達であり、憧れの人である達巳。
達巳の隣に居れるなら、このままの関係がいい。
彼氏彼女の関係なんていらない。
達巳に彼女が出来ても、あたしは呼ばれる気さえしてた。
あたしは達巳の特別な女友達だと。
自惚れていた。
あたしの価値は、飼い猫に似てるから傍に置いときたい。
それだけなのにね。
達巳のこと、ちっとも理解していなかった。
あたしは達巳のこと、どこまで知ってただろう。
達巳がどんな女が好きで、何を考えて毎日を過ごしていたのか。
どうして、呆れる程寝ていたのか。
何も知らない。
聞こうとも思わなかった。
あたしは、達巳の何が好き?
何に憧れてるの?
自由だから?それだけ?
自問自答を始めたのは、高校二年になった春頃。
達巳に彼女が出来た日からだった。

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