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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

◇
「達巳~楓と付き合ってんの?」
「付き合ってないよ?なんで?」
学年が一つ上になっても、新入生なんて、入ってこなかった。
この街は子供の人口が少なくて、俺たちが最後の高校生。
クラス替えがあったけど、楓と俺は同じクラスで。
よく一緒にサボったり、ほとんど毎日下校してたからこんな質問はよくされた。
新しいクラスメートは、そんな俺らを見て付き合ってると勘違いする。
何でもすぐそんな風に決めつけるのは俺らが思春期だからだろう。
「俺、楓のこと好きや」
「そうなん?告るの?」
「そうするつもり。達巳はいいの?」
「なにが?」
「俺、楓と付き合ってもいいの?」
随分自信があるんだな、と思った。
楓が断る可能性を考えたことが無いんだなって。
だからって、何で俺の許可を得ようとするのか分からなかった。
俺と楓は友達だし、別にいいんじゃないの?って。
「俺と楓が付き合ったら、達巳は楓に近付かんといて」
「なんで?」
「俺、嫉妬すると思うから」
独占欲強い男はモテないぞって笑ったら叩かれた。
人の女、とる趣味ないって答えても納得しなかった。
面倒くさくなって分かったと答えた。

