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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの
俺は、その薬を箱にしまい、机の引き出しの奥に隠した。

やっぱり関わっちゃ駄目だ……。

カズさんとは、俺が連絡しなければもう会うことも無い。

こんな、ヤバそうな藥なんて売れない。

俺には、楓がいる。

落ち着け、悲しませることはするな。

地道に働こう。そうだ、また一からやり直したらいいんだ。

楓とはあまり会えなくなるけれど、きっと楓なら分かってくれる。




その日は、中々眠れなかった。

机のなかにあるあの箱がどうしても、俺を離そうとしなかった。

まるで、使われることを待っているかのように。

ただ静かに、そこに存在感を知らしめていた。

捨てようとしないのは、己の弱さなのか、疼く好奇心か、それは分からなかった。

ただ頭の中にカズさんの言葉がグルグルと回っていて。

いっそ、楽になれるなら―――。

グラグラ揺れる心のせいで、朝方まで眠れはしなかった。
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